Weird Charm School

32 名前： 名無し募集中。。。 投稿日： 2006/06/22(木) 21:59:46.90 O
地方のコンサートが終わった後、娘。はいつも通りホテルに一泊することになっていた
ただ一ついつもと違うところは美貴と田中ちゃんが同じ部屋ということ

しかも２人部屋・・・

美貴はシャワーを浴びながら一人で考えこんでいた

「はぁ～、まいったなぁ」

こういった一人言がついつい出てしまうのも相手が田中ちゃんだからなんだろう

正直に言うと美貴は田中ちゃんが少し苦手だった
嫌いって訳ではないし、別にいがみあってもいない

ただ、2人きりで過ごしたことはちろん一度だってない
楽屋ですら周りに他のメンバーがいなければあんまり話さないし・・・

33 名前： 名無し募集中。。。 投稿日： 2006/06/22(木) 22:19:34.55 O
シャワーを浴び終えて部屋に戻ると田中ちゃんはベッドの上で携帯の画面とにらめっこしていた

「出たから田中ちゃんも入りなよ」

「はい。わかりました」

こちらが話かけても田中ちゃんは相変わらず携帯から目線を離さない

「ＴＶ見ていい？」

「どうぞ」

それから数十分間、美貴はさほど見たくもない下らないバラエティを番組を見ていた

部屋にはＴＶのスピーカーから流れるお笑い芸人の声だけが響いている
その間田中ちゃんは一言も喋らずに顔をＴＶと手元の携帯に上げ下げ

時々チラチラ美貴の顔も見てるみたいだけど一向に話かけてきてくれる様子はない
34 名前： 名無し募集中。。。 投稿日： 2006/06/22(木) 22:40:00.13 O
田中ちゃんはやっぱり美貴といても楽しくないのかな・・・
そんなことをついつい思ってしまう
だって、重さんや亀ちゃんといる時の田中ちゃんはずっと笑ってるしどちらかと言えばおしゃべりだ

なんで美貴の前だと無口で表情も固いんだろう
やっぱり怖がられてるのかな

それならこの機会を利用して少しでも仲良くなりたい

美貴はそんなことを考えていた

その為には相変わらず携帯を眺めている田中ちゃんの気をどうにかしてひかないといけない

とっさに美貴が思い付いたこと。それは・・・

「ねぇ、れいな？」

そう、名前で呼んでみることだった
案の定、田中ちゃんはとっさにこっちを見た
表情には驚きと嬉しさの様なものが見える

35 名前： 名無し募集中。。。 投稿日： 2006/06/22(木) 23:02:35.37 O
「ふぇ？なっ・・・なんですか、いきなり」

途端にしどろもどろになる田中ちゃん
美貴が下の名前で呼ぶなんて滅多に無いことだし当たり前と言えば当たり前なんだけど

それでもそんな田中ちゃんがかなり可愛くてちょっと嬉しい

「だって美貴とれいなは付き合い長いんだし別にいいじゃん」

「いや、いいですけど」

「だからさぁ、れいなも美貴のこと呼び捨てで呼んでいいよ」

「はぁ？無理ですよ、いきなり。からかわんでください」

困った様な表情を見せながら美貴を見てくる
そんな田中ちゃんがどうしょうも無いくらい可愛い

「じゃあ美貴姉でいいよ、昔みたいにさぁ。結構ファンに人気あるんだよ」

田中ちゃんは相変わらず困った顔をしながらおもむろに口を開いた

36 名前： 名無し募集中。。。 投稿日： 2006/06/22(木) 23:18:52.89 O
「ホントにいいんですか？」

「当たり前じゃん。美貴が言い出したんだし」

そう真剣に答えると田中ちゃんは笑いだした

「ひどいなぁ。笑うことはないでしょ」

「すいません。今日の藤本さんちょっと変だな～と思って」

「だから、藤本さんじゃないでしょ？それにその敬語も禁止ね」

「わかったけん。美貴姉」

田中ちゃん・・・いや、れいなはそういってニヒヒと笑う

「やっぱりれいなは訛ってたほうが可愛いね」

美貴がそう言うと田中ちゃんは顔を真っ赤にして

「れいなシャワー浴びてくるけん」
と一言だけ言ってそそくさとバスルームに走って行ってしまった

そんな後ろ姿を見ながられいなは相変わらず恥ずかしがり屋さんなんだなぁと美貴は心の中で思った