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モーニング娘はなじみのビジネス

10/30日付朝日新聞夕刊10頁

「モーニング娘。」に「終わりの始まり」を感じたのはいつのころだったろう。
「LOVEマシーン」のミリオンセラーを経て、01年に中澤裕子が卒業したころだろうか。先は長くない、と感じたことを覚えている。
でも、その後CDの売り上げも減っているのに、「終わる」気配はない。今も新メンバーのオーディションが開かれている。

 今月上旬、横浜アリーナであったコンサートも、気の抜けたものだった。
巨大なアリーナでのコンサートは、一般ホール公演とは違う仕掛けをすることが多いが、このときの舞台美術はホール規模。
インターネットなどでのファンの反応も「手抜き」批判が目立った。この直前に見た新宿コマ劇場の松平健公演の方がはるかに熱気があった。

 でも、これはこれでいいのでは、と最近思い始めている。
 「論座」11月号で、長年のホークスファンである永井良和・関西大教授が「プロ野球はなじみのビジネス」と論じている。
オリンピックやW杯が「一時的な高揚感、ナショナリズムをベースにした『感動』ビジネス」であるのに対し、プロ野球は「ファンが選手やチームとともに成長し、年をとっていく」という点で「『なじみ』の感覚を育てるビジネス」という。
同じことが最近のモーニング娘にいえるのではないか。
マツケンサンバが非日常なら、モー娘は日常。メンバーの加入、脱退といった節目と自分の人生を重ね合わせる。そんな楽しみ方ができるように思う。

 「週刊朝日」最新号でも、モー娘ファンの漫画家・杉作J太郎さんが、メンバーの成長を見守る楽しみや広島市民球場を思わせるコンサートの客席を挙げて、「モーニング娘≒野球」説を唱えている。
 結成からもう7年。女性アイドルグループとしては長寿の部類に入る。コンサートの客席が消化試合のようになったとしても、永遠に終わらないのではないか、そんな気さえしている。(鈴木京一)


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